光塩素化技術
光塩素化技術とは
塩素分子(Cl-Cl)は塩素原子(Cl)が2つ結合してできています。塩素に光を照射すると、塩素分子が開裂し、反応性の高い塩素ラジカル(Cl・)になります。この塩素ラジカル(Cl・)が他の炭化水素化合物と反応することにより進行する塩素化を「光塩素化」と呼んでいます。 イハラニッケイでは、光を照射して塩素化する光塩素化設備を保有。 トルエン/キシレンのメチル基塩素化反応や、アルデヒドの酸クロリド化反応を行っています。 |
また、各生成物は蒸留設備で分離することができるので、加水分解によりアルデヒドやカルボン酸クロリド等に誘導しています。
トルエンやキシレン等のメチル基塩素化反応のほか、二重結合を有する化合物の塩素化にも、光塩素化が活用できます。
このような光を使用した塩素化反応ができる会社は国内でも限られており、イハラニッケイは日本国内でも数少ない光塩素化ができる会社の一つです。 |
光塩素化のメリット
ラジカル開始剤を添加しないため、次のようなメリットがあります。
反応の効率化・作業工程の省力化が可能ラジカル開始剤を使用する反応と比較して、温度によるラジカル発生率の変化や半減期がないため効率良く反応を進めることが可能です。また、量産化設備においては、管理室での光源点灯作業のみで済むため、ラジカル開始剤の添加作業の必要がなく、工程の省力化が可能です。 |
ラジカル開始剤の残渣除去を意識する必要がないラジカル開始剤を使用すると反応後に残渣の除去が必要になります。一方、光塩素化では除去工程自体が必要なく、新規光塩素化案件の早期事業化に有利です。 |
爆発の危険性のあるアゾ化合物を使用しない一般的にラジカル開始剤にはアゾ系化合物が使用されますが、アゾ系化合物は消防法第5類に該当し、爆発の危険性があります。イハラニッケイでは、光照射の技術によりラジカル開始剤を添加しません。そのため、アゾ系化合物による爆発のリスクがなく、より安全に生産することができます。 |