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製品開発ストーリー

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OBBOC開発ストーリー

4,4'-オキシビス安息香酸クロリド(OBBOC)はモノマーとしての用途があるが融点が高く蒸留で精製するには難があり、晶析法では塩化チオニルや三塩化リンを使うと製品にSやPのコンタミが残る。

OBBOC-1

当社で得意とするベンゾトリクロリドによる塩素交換反応でも蒸留ができないことがネックになっていた。先に、OPCの開発ストーリー(特許5649288:特開2010-053126)に述べたようにOPCが当社の主要製品となっていたが、農薬原料だけではなく塩素化剤として利用する研究を行っていた。OPCを塩素化剤としてカルボン酸と加熱すると、無触媒で相当する酸クロリドが得られることは明らかになっていたが(H.C.Brown, JACS 1938年)、蒸留が困難な酸クロリドには適応が難しかった。


OPCとDMFを混合するとビルスマイヤー試薬が生成し、副生する無水フタル酸は溶媒中に残り、濾過により固体のビルスマイヤー試薬が高純度で単離できることを見出した。(特許57832331:特開2012-136502)


OBBOC-2

これをオルトクロロトルエン中でOBBAと混ぜ加熱するとスラリー状態のOBBAが次第にOBBOCになり溶媒に溶解した。

室温まで冷却するとOBBOCだけが結晶として析出しDMFは溶媒中に残った。濾過すると高純度のOBBOCが単離できた。


OBBOC-3

これによりOBBOCのサンプル供給が可能となったが、更なるコストダウンが必要になり当社で実施できる製法を検討した。OBBAは溶媒への溶解度が低く、ビルスマイヤー試薬以外の塩素化剤では大量の溶媒を必要とした。オキシビスベンズアルデヒド(OBBAD)は融点が65℃程度であり、溶媒への溶解度が非常に高いことがわかり、これを光塩素化すれば酸クロリドになるはずだとの思いがよぎった。実際、OBBADを釜効率良くOBBOCに変換することができた。(特許6126440:特開2014-201548)



OBBOC-4


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